東日本大震災の復興過程において、外部からの支援を受けた新しい住民組織が、多くの役割を果たした。特に、復興まちづくりにおいて、既存地域組織と行政の意思決定に対して、オールタナティブな方法を提示し、既存のガバナンス構造に一定の変容を与えていることを確認した。また、2004年にスマトラ沖地震による津波の被災を受けたインドネシアバンダアチェにおいては、海外からのドナーの支援によって女性の自助グループが形成され、家計に対する女性の貢献度が高まったとの評価ができる。両地域での調査結果から周縁的インサイダーの存在と役割、さらには、ローカルガバナンスの変容への影響が確認できた。
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