本研究は、申請者が独自に発見した化学反応型Liesegang現象の素過程の解明ならびに数理モデル化を通じ、反応拡散方程式に濃度閾値項を含まない包括的Liesegang現象の構築を目指すものである。本研究では、銀イオン化学還元型Liesegang現象がgelatin内で安定化されたAg種を介した反応拡散現象によるものであることを解明し、その化学反応素過程及び数理科学モデルの構築に成功した。次いで、重合反応型Liesegang現象を実験的に示し、濃度閾値項を含まないLiesegang現象の発現に成功した。以上の成果は、発見から100年を経たLiesegangモデルの大幅な更新を与えるものとなる。
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