複合待ち行列の柔軟性を大きな待ち行列の漸近特性を用いて数理的解明するための新しい方法を研究した.この方法は区分的に確定的なマルコフ過程の指数型テスト関数によるマルチンゲール分解を使う.当初計画したランダムウォークによる方法と異なり,到着間隔やサービス時間が一般の分布の場合にも適用可能な方法である.この方法を使って各種の待ち行列やそのネットワークの定常分布の漸近特性や重負荷時における極限分布を導いた.この結果を用いて,複数種類の客が窓口で競合する待ち行列ネットワークおけるサービス優先権の効果と並列型待ち行列において最小待ち行列を選ぶことができる客の効果と限界を解明した.
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