近年、緊急搬送される熱中症患者が急増するなど、熱中症の予防や早期検知が社会的に大きな課題になっている。熱中症は深部体温の過度な上昇により引き起こされるが、深部体温の測定には直腸温度や鼓膜温度など活動中に測定が困難な部位での体温測定が必要である。本研究では腕時計型センサなどでリアルタイム計測可能な心拍数と皮膚温度をもとに個人差を考慮し、生体温熱モデルに基づき深部体温の時間的な変動を高精度に推定する手法を提案している。性能評価により、60分の歩行運動に対して平均絶対誤差0.23 ℃で深部体温を推定できることを確認した。
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