本研究では、(i)渋滞箇所の特定、(ii)目的地までの所要時間推定、(iii)出発地と目的地の組毎の交通量(OD交通量)推定など、代表的な交通情報サービスの実現を念頭に、サーバー側の記憶容量を一定量に抑えつつ、プライバシーを保護した形でそれらのサービスを実現する方法を考案した。具体的には、赤信号中に車両が到着することによる車列の増大と青信号による車列の減少についての数理モデルを構築し、プライバシー保護を念当に、多数のプローブカーデータを細切れに切断し、少数のプローブカーデータから信号待ち車列長やその変動を高精度に推定したり、OD交通量を高精度に推定したりする手法を考案した。
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