本研究の目的は、ステイタス概念に依拠したブランド評価モデルを構築しデータ収集と分析によりブランドスコアを算出し、マッピングすることである。 都市ブランド指標の構築のために以下の22の都市ブランド要素を組み込んだ:(1)山海の幸に恵まれた都市である; (2)グルメ都市である; (3)ファッションに敏感な都市である; (4)博物館・文化財の多い都市である; (5)遊興施設の多い都市である;(6)政治的に進歩的な都市である; (7)少数者・異端者への寛容性の高い都市である; (8)知識人・文化人・芸術家が多い都市である; (9)外国人訪問者の多い都市である; (10)新しい考え方や価値観が生まれてくる都市である; (11)伝統の技術が残る都市である; (12)新しい企業が生まれてくる都市である; (13)活気のある都市である; (14)街並みが美しい都市である; (15)災害の少ない都市である; (16)教育に適した都市である; (17)ストレスのない都市である; (18)自然に恵まれた都市である; (19)地価の高い都市である; (20)コンパクトで動きやすい都市である; (21)安全・安心な都市である;(22) 移住したい都市である。 ブランド要素の反応を調べる全国住民サンプル1500人に対するウェブ調査を行い、109の都市に関するデータを収集した。因子分析の結果から4つの因子(伝統・観光都市、近代的大都市、地方都市、大都市郊外都市)を抽出し、多重対応分析から都市のマッピングを得た。 得られたブランド要素に対する反応から回答者の社会経済ステイタスで加重したステイタス・スコアを算出した。ブランドスコアとマッピングは109の主要都市に限られるが、地方活性化、インバウンド観光を課題とする、わが国の地域政策立案に資するほか、広く公開されることで自治体の自己評価にも活用できる。
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