主に以下の成果を得た。(1)CBDR (Common But Differentiated Responsibilities)原則のもとで国家主権を認めてもなお、排出権取引とオフセットを組合せたグローバルな制度は社会的最適を達成し得ない可能性があること。その理由は、世界全体をデザインできる主体がいないからであり、個別国の最適化は全体最適とはならないためである。 (2)個別的な制度導入の効果に関しては日本での制度導入の効果をシミュレーション計算し、従前の研究との違いを比較した。我々の推定では、制度導入による経済成長への効果はマイナスとなるが、この結果は環境省(2012)などと同じであった。
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