メタボローム解析は生体の代謝評価に有益な手段である。肝切除前後の代謝物動態をCE-TOFMSを用いて評価した。術前術後の血清および尿を採取し測定を行った。肝癌切術後3日目に血清分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、術前に比し有意な変化はみられなかったが、芳香族アミノ酸は上昇し、Fisher比は低下がみられた。一方、尿中BCAAは著明な上昇がみられ、血清と尿は必ずしも一致しないことが示された。栄養評価を行う際、血清あるいは尿のいずれか一方で評価することが多いが、血清のみではBCAAの変化がみられず筋蛋白の分解を評価できなかったが、尿を同時にみることで筋蛋白質の分解をとらえることができた。
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