これまでの研究から、粘土が変形するとき、電気的に分極すること(SIP, Shear Induced Polarization)が明らかになっている。この物理現象が野外の変形場でも生じているかどうかを検証するため、愛媛県大洲市の地すべり地で自然電位の観測を実施した。地すべりのすべり方向に、カーボン電極を5m間隔で13本設置して電位の観測を行った。また、降雨、温度および土壌水分の計測も同時計測を行った。現在まで、約4ヶ月間の観測であるが、10mm/h以上の降雨が3回あり、いずれも降雨に引き続いて、地すべりに伴うと見られる地電位の変化が認められた。
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