本研究課題では細胞の空間的配置を制御することで生体外で毛髪再生を実現することにを目的としている.そこで毛包構造を再現するために,2種の細胞が多層構造を成すコラーゲンゲル培養法の開発を実施した. 具体的には,マウスES細胞を毛乳頭細胞の代替源として第1細胞層とし,その上層をマウス表皮細胞層で覆うコラーゲンゲルビーズの作製法を開発した.同技術を用いて作製した多層ゲルビーズを生体外で培養したところ,毛包構造およびその周辺組織である立毛筋の再構築を認めた. 以上,新たに構築した多層ゲルビーズ培養法を用いることでこれまでに実現し得なかった生体外プロセス単独での毛包構造の再生を実現した.
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