本研究では、温暖地(熊本)と寒冷地(札幌)の小学児童を対象に、児童の「想像温度(いま、何度と想像するか)」に着目し、想像温度を活用した地域特有の住環境教育(地域住育)プログラムに必要とされる物理的な条件を明らかにすることを目的として以下を確認した。 1)毎日の室温の確認作業は、温熱環境の認識力を向上させることに寄与する。2)暑熱不快時(暑熱不快率50%)の想像温度の閾値は、熊本は35.5℃、札幌は27℃で8.5℃の差がある。3)熊本では「蒸発調整系」の環境調整行動、札幌では、「抵抗調整系」の環境調整行動を選択する傾向が強い。以上は、地域住育プログラムの整備に必要とされる知見と考えられる。
|