研究課題/領域番号 |
26580003
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
山森 裕毅 立教大学, 現代心理学部, 特別研究員(PD) (00648454)
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研究分担者 |
久保 明教 一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (00723868)
渋谷 亮 成安造形大学, 芸術学部, 講師 (10736127)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 家事労働 / 育児 / ひとり親 / 家庭料理 / アクターネットワーク論 / 内部観測 / 当事者研究 / 自助コミュニティ |
研究実績の概要 |
山森:精神疾患を持つ人々の地域移行および地域生活に関するフィールド調査を行った。具体的には、東京都豊島区にある家屋型フリースペースで営まれている精神疾患を持つ人々の自助コミュニティの活動に参加し、彼らの生きづらさ・暮らしづらさに対処する知と術を、対話を通して共に考え、共に実践することを行った。 渋谷:《生活の根底にある分散性に対して人々がいかに対処してきたか》という観点から、家事と子育ての思想史的検討を試みた。具体的には、一方で戦後日本の家事と子育ての歴史を検討し、他方でひとり親家庭における聞き取り調査を行った。その結果、1.フェミニズムにおける理論的成果を視点と主体という観点からまとめることで、家の内外の交差において生活の分散性を分析する視座を提示し(「引き裂かれを生きる」)、2.そのような視座から戦後日本の育児史を検討することで、生活の分散性と取り組む部分的な合理性がいかに構築されてきたかを明らかにした(「戦後育児史ノート」)。聞き取り調査に関してはいまだ成果公表はできていないが、二十九年度内の公表を目指して分析を進めている。また本科研の研究成果を他領域と接続するために、「家事とアート:労働と制作のあいだを考える」と題する公開研究会を企画し、導入と司会・進行を行った。 久保:「料理と情報」をテーマとして、日本の家庭料理史において概念・モノ・情動のネットワークがいかに変容してきたかについての人類学的研究を行った。具体的には、昨年度まで行ってきた家庭料理をめぐる産業・情報・言説に関する文献調査に加え、代表的な料理研究家数名の著作を集中的に検討し、各研究家が著したレシピを調理・賞味・分析する参与観察を行った上で、1960年代から2010年代までの家庭料理の歴史をアクターネットワーク論や内部観測論等の視座から分析する論考を三つ発表し、それらをまとめた研究会発表を行った。
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