本研究では、生・技術・権力が絡まり合うことで多様化し複雑化する私たちの暮らしのなかから、暮らしを成り立たせている知を取り出すことを目指した。山森は「場所」に焦点を当てて、場所と暮らしの関係を分析する方法を考案した。渋谷は「育児」の途切れ途切れの構造を分析して、そこで構築されてきた「部分的な合理性」を抽出した。久保は「家庭料理」を軸にして、家庭についての言説とテクノロジーの変遷を明らかにした。成果はそれぞれ論文および口頭発表の形で公表された。全体として、暮らしのなかの知を多角的に検討することができた。
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