研究課題/領域番号 |
26580072
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐久間 淳一 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60260585)
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研究分担者 |
入江 浩司 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40313621)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 言語類型論 / 統語論 / 非人称構文 / アンケート調査 / 国際情報交換 / フィンランド / アイスランド:スウェーデン / リトアニア |
研究実績の概要 |
【研究打合せ】6月26日に、日本言語学会第152回大会の会場校・慶応義塾大学において、今年度の研究計画について打合せを行った。3月12日には、名古屋大学において、研究期間全体の研究成果について取りまとめを行った。 【各自の研究経過】佐久間(研究代表者)は、フィンランド語の非人称構文について、前年度の調査結果を踏まえ、大学院生を再度フィンランドに派遣して聞き取り調査を行った。調査の結果、格表示に関して、これまでの記述では説明できない「ゆれ」があることが明らかになった。また、3月にはラトビア大学、ヘルシンキ大学を訪問し、バルト海周辺諸言語の統語的「ゆれ」について意見交換を行った。 研究分担者の入江は、Malchukov & Ogawa (2011) の提案する非人称構文の機能的分類に基づき、非人称の様々な機能がどのようにコード化されるかという観点からアイスランド語のデータを整理した。その結果、単独では非人称構文として取り上げられることの少ない構文も非人称領域に含めて扱うことができ、話題性のない主語と動詞が倒置する構文や意思性のない主語を持つある種の構文において、主語と動詞の一致の有無にゆれがあることを明らかにした。 連携研究者の當野は、9月にスウェーデンで現地調査を行い、Scandinavian pancake sentenceと呼ばれる、主語名詞句と述語形容詞が一致を起こさない文の成立における主語名詞句の役割について明らかにした。 研究協力者の櫻井は、リトアニア語の非人称文における主格目的語について、昨年度の事前アンケート調査の結果を踏まえて本調査を行った。事前アンケートの結果から、標準語では非人称文において主格目的語が全く見られないことが明確となったため、本調査では、高地東部方言話者の多い地域で調査を行い、通時的変遷がどのような共時的分布として現れるかを明らかにした。
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