研究課題/領域番号 |
26580099
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
宮崎 里司 早稲田大学, 日本語教育研究科, 教授 (90298208)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 眼球運動 / アイマーク・レコーダー / 外国人留学生 / 注視点記録装置 |
研究実績の概要 |
本研究は、眼球運動を瞳孔、角膜反射方式により、精度よく計測し、コンピューターによって簡便に定量解析ができる装置である、注視点記録装置(アイマーク・レコーダー:Eye Mark Recorder EMR)を用い、日本語母語話者と日本語非母語話者が参加する接触場面の中でも、大学の講義場面に特化し、どのようなインターアクション行動が現れ、講義理解過程における視覚情報処理の問題が、どのように解決されるのかを検証するものである。平成26年度は、具体的なデータ収集に基づく基礎研究として、大学での講義場面における調査対象者(外国人留学生と日本人講義担当者)への聴き取り、ならびにEMRお用いたパイロット研究を行うとともに、その分析方法として、㈱NAC社の協力を得て、データ 分析方法を検証する作業に当たった。その研究成果を基に、平成27年度は、本格的な データ収集や、その結果の発表(学会口頭発表、関連学会誌への論文投稿)などに充てるとともに、その問題分析を通して国際化に向けた大学の講義のあり方を考察する予定である。こうした検証は、大学の国際化に向けた、留学生教育に対する提言が図れるとともに、教員のFD(Faculty Development)のカリキュラム構築にも寄与すると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究は、3ヵ年にわたる、視線計測システム(EMR8b)を利用した、外国人留学生が参加する、実験型講義場面研究を計画し、そうした場面で、留学生ならびに講義担当者や他の日本人受講生などのインターアクション行動を、研究協力企業であるナックイメージテクノロジー(NAC)社の技術サポートを得ながら検証するという計画である。 関係者との打ち合わせならびにデータ解析方法などに関しては、定期的な会合による順調に推移しているが、いるが、当初計画していた研究費の消化率や、研究倫理に関する詳細な手続きを行った上での丁寧なデータ収集遂行に関しては、十分に達成しているとはいえない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
研究初年度である平成26年度の進捗を基に、第二年度である27年度は、上記に示された課題を解決しながら、研究方法をデザインするとともに、今年度行ったパイロット研究を さらに精査し、大学教員に対するFD(Faculty Development)に寄与する研究成果として、どのような提言が図れるかを検証していく予定である。また、中間報告という形で、関係学会などでの口頭発表、論文投稿も予定している
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗に関する自己評価にも記したように、昨年度は、本研究に至る前のデータ収集をデザイン(パイロット研究)をしたために、それに掛かる経費を計上することができなかった。今年度は、従来の研究費の執行を目指すとともに、予定されているデータ収集ならびに分析を行う予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
以下の様な使用計画の下で、研究費を計上する予定である。人件費(資料整理・データ処理・文字化専門的知識の提供資料提供・閲覧に係わる謝金)(630)、国内旅費(日本語教育関連学会発表等)(200)海外旅費(シンガポール日本語教育研究会等)(400)、その他(会議費・印刷費・通信費・交通費・運搬費)(120)(単位 千円)
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