• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

アメリカ・フィンランドにおける21世紀型学習のための授業過程に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 26590204
研究機関関西大学

研究代表者

山住 勝広  関西大学, 文学部, 教授 (50243283)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード教育方法 / 21世紀型学習 / 授業過程 / 活動理論 / 探究授業 / 概念形成 / 行為の主体性(エージェンシー) / 拡張的学習
研究実績の概要

本研究の最終年度である平成27年度には、前年度における研究成果をふまえ、それぞれ個別に行ったアメリカとフィンランドの授業実践データの分析を詳細に比較対照し、緻密な検討・考察を行うことによって、授業における学習活動システム上の相違点を超え、両国の事例に共通して発見可能であるような、21世紀型学習の革新的なデザインと実践を本質的に特徴づける新しい基本原理の解明に取り組んだ。
そのさい、授業における子どもたちの学習が、単独の個人ではなく、「活動システム」という高次のレベルでどのように生成しているのかをとらえようとする「活動理論」の枠組みを用い、子どもたちの21世紀型学習を促進・支援する授業過程にとって本質的な特徴は何かを明らかにしていくことを試みた。
分析では、日本の先進的事例も比較検討に加え、学校における21世紀型学習のための授業への転換を、子どもたちの「拡張的学習」の生成という点から特徴づけていった。「拡張的学習」は、学習者が与えられた情報を超え、いわば指導者の手に負えなくなり、コントロールの枠外に出るような学習である。学習のそうした「拡張性」によって、子どもたちは活動の新しい対象やパターン、集団で新たな生活を築く実践の形態について学んでいく。つまり、「拡張的学習」は、「いまだ存在していない何か」を学ぶような学習なのである。
こうして、21世紀型学習への転換は、子どもたちの潜在能力と主体性を解き放つことによって、自分たちの活動システムを自分たちで創り出し、学校外の現実社会において「いまだ存在していない何か」を学んでいくような、子どもたちの拡張的学習を生成することとしてとらえることができる。いいかえれば、拡張的学習としての21世紀型学習は、あらゆる子どもたちがハイレベルの行為主体感(high-agency)にもとづく豊かな学習を享受できることをめざすものなのである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] ヘルシンキ大学活動・発達・学習研究センター/ヘルシンキ大学教師教育学科附属ヴィーキ教師教育学校(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      ヘルシンキ大学活動・発達・学習研究センター/ヘルシンキ大学教師教育学科附属ヴィーキ教師教育学校
  • [国際共同研究] カリフォルニア大学ロサンゼルス校教育学科/カリフォルニア大学ロサンゼルス校ラボスクール(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      カリフォルニア大学ロサンゼルス校教育学科/カリフォルニア大学ロサンゼルス校ラボスクール
  • [国際共同研究] オーストラリアン・カソリック大学オーストラリア学習科学研究所(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      オーストラリアン・カソリック大学オーストラリア学習科学研究所
  • [雑誌論文] ノットワーキングによる学習─学校学習の文脈を拡張する可能性2016

    • 著者名/発表者名
      山住勝広
    • 雑誌名

      活動理論研究

      巻: 第2号 ページ: 21-31

  • [学会発表] ノットワーキングによる学習―学校学習の文脈を拡張する可能性2015

    • 著者名/発表者名
      山住勝広
    • 学会等名
      活動理論学会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2015-07-18
  • [学会発表] 学校における活動システムの転換2015

    • 著者名/発表者名
      山住勝広
    • 学会等名
      活動理論学会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2015-07-18
  • [図書] 子どもが生活を創造する学校―協働学習の活動理論2016

    • 著者名/発表者名
      山住勝広
    • 総ページ数
      未確定
    • 出版者
      東京大学出版会

URL: 

公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi