本研究では、アメリカとフィンランドにおける最新のカリキュラム改革動向をふまえた上で、両国における21世紀型学習のための先進的な授業実践事例に関するデータを収集・分析することによって、21世紀型学習を促進・支援する授業過程の本質的な特徴を明らかにしていった。そのさい、学校における子どもたちの学習が、単独の個人ではなく、活動システムという高次のレベルでどのように生成しているのかをとらえようとする「活動理論」の枠組みを用い、緻密な検討を行った。その結果、21世紀型学習への転換を、学習の活動システムを協働して自主的に創り出す、子どもたちの「拡張的学習」の生成ととらえる見方を提起した。
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