研究課題/領域番号 |
26590244
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
竹野 英敏 広島工業大学, 情報学部, 教授 (80344828)
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研究分担者 |
永冨 一之 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00228040)
木下 龍 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10586217)
谷田 親彦 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20374811)
室伏 春樹 静岡大学, 教育学部, 助教 (30609293)
島田 和典 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (50465861)
宮川 洋一 岩手大学, 教育学部, 准教授 (70552610)
橋爪 一治 島根大学, 教育学部, 教授 (70709740)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教員養成 / 技術科教育 |
研究実績の概要 |
初任者教員が中堅教員になるために志向するべき資質・能力を理論的・実証的に明らかにするとともに,初任者教員が修得すべき資質・能力に関する目標を自発的に設定し研鑽を行い,結果に基づいて省察することを奨励する認定・評価制度を,学術団体との連携・協働を通して開発・試行し,技術科教員が資質・能力を高めていく道筋を明確にすることを目的としている。 当該年度では,教員の課題意識と専門的能力の対応付けによる【上位修得基準】作成を行った。中でも(1)初任者教員の課題意識と(2)専門的能力特定の成果に基づいて,技術科の指導能力を認定・評価するための【上位修得基準】を作成することを中心とした。 まず,各内容を実践的指導能力を評価するための適確な能力概念を設定し,各学習内容の専門的知識・技能を教員の実践的指導能力として明確にした。そして,能力概念への到達度を判断する基準化を行った。さらに,国際技術・工学教育者学会(ITEEA)が実施する教員表彰・奨励制度など,教員の評価・認定制度に関わる資料提供や確認を行い,設定する【上位修得基準】に対する質的な検討を行った。 また,受験者が現職教員であることを勘案して,実践的教授能力を確かめるための筆記試験,作品や教材の構成能力を測定する実技試験,それらを体現する実際の授業観察などの出題形式から,現職教員に対する認定試験としての実現可能性を検討し,上級レベルの指導能力を認定・評価するための【上位修得基準】に沿った試験問題の設計と開発を試験的に作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおりの調査,データの収集ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度には【上位修得基準】に基づく認定試験制度の試行を行い,認定制度の問題点や継続的実施のための課題・改善点を探る。過去に行われた【標準修得基準】に基づく技術科教員指導能力認定試験の合格者を多く輩出している大学を主担当として,それぞれの県内で対象となる技術科教員を選定する。試験の実施後には試験方法や問題の妥当性などを検討・確認するとともに,実施体制の在り方についても検証を行う。また,日本産業技術教育学会において,これらの認定試験制度の開発と実施に対して広く意見を聞くための広報活動を行い,制度に対する拡充・発展の機運を高める。さらに,【上位修得基準】に基づく認定試験の体制整備に対して依頼を行い,学会の主催事業として継続実施することを通して,技術科教員の資質・能力育成に対する全国規模の制度として確立することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度,会議を2回行い,その2回分の旅費を配分しているが,分担者のうち1名は,都合により会議に1度欠席している。分担者のうち2名は,別予算において出席している。また,安価なパック旅行を使うなどしており,その額が残金として残ったことが大きい。 また,2名の分担者は,予定物品の購入の際,予定価格より安価で済んだことにより,残金が生じた。それらを本年度無理に使用しなかったため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度には【上位修得基準】に基づく認定試験制度の試行を行い,認定制度の問題点や継続的実施のための課題・改善点を探る予定であるため,基本的な使用計画は以下の通りである。 試行のための検討会議や,実施体制の在り方についても検証会議を行うために,研究組織の構成メンバー8名が研究打ち合わせを年3回程度実施する旅費として使用する。 また,試験問題等の作成にかかわり,それぞれが担当する実技試験,筆記試験に係わる印刷・複写にかかる費用として使用する。さらに調査に関連する消耗品の購入に充てる費用として使用する計画である。
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