透過電子顕微鏡(TEM)観察下で観察領域にレーザー光を直径10μm以下に集光する装置を開発した。その結果、励起光強度の増加により、実用的な測定条件(エネルギー分解能6meV、10秒励起)での、空間分解能がμmオーダーのTEM観察下その場ラマン分光測定が初めて可能となった。 上記のレーザー光照射下で直径60nmの銀微粒子を接触させて散乱型近接場光を形成したが、近接場光強度が期待より小さく、空間分解能がnmオーダーのラマン分光測定はできなかった。近接場光励起によるラマン信号を抽出するには、近接場光と近接場励起用レーザー光のプローブ面積比をあと一桁下げるか、近接場光の強度をあと一桁上げる必要がある。
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