光の回折限界を超える極微小領域(10nm~1um)の選択的な機械駆動を実現する技術の構築を目標として、金属ナノ粒子をヒータとして用いた熱駆動型アクチュエータを提案した。楕円体など、等方的でない形状のナノ粒子は、照射光の偏光方向に対して光吸収が100倍以上異なる。これを生かし、複数のナノ粒子を異なる向きで配置し、特定の偏光を持つ光を照射することで、特定のナノ粒子だけを選択加熱することができ、局所加熱によるマイクロ構造の選択駆動が可能である。本提案では、ナノ粒子の構造と入射光の波長、偏光による発熱量の変化について理論解析し、局所加熱により3軸駆動を実現するMEMS構造の設計と試作に取り組んだ。
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