本研究の目的は,我々が開発した時間遅延補償分光器から1フェムト秒(fs)高次高調波パルスを発生し計測することと,光源を利用した光化学反応の時間分解光電子分光による研究を目的とした. 1 fs パルス発生のため,中空ファイバーを用いて10 fsのレーザーパルスを発生した.ビーム方向をフィードバック制御し,5時間以上安定に動作した.しかし,中空ファイバーによるエネルギー損失が多くパルスエネルギーが少なかったため,高調波のパルス幅計測に至らなかった. しかし,光学系の分散補償の最適化により,現有光源において時間分解能を55fsまで改善することができた.それを用いて光化学反応ダイナミクスを研究した.
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