代数的極小曲面のガウス写像g の除外値が高々2であるという予想は,代数的議論からは解決できない.我々はガウス写像を,曲面の普遍被覆面である円板にリフトし,曲面の基本群作用で不変なガウス写像の除外値数を,ネバンリンナ理論を用いて証明する方針で,研究を進めた. 1.gの特性関数の増大度を上から抑えるκの評価を得た.2.ガウス写像の像のフビニスタディ計量で測った面積と,双曲計量で測った面積の比を下から評価した.3.対数微分の補題の幾何学的意味を解明した.4.周期条件を最大限に活用する方策として,座標関数を指数関数の肩にのせることにより,実周期がない=絶対値が一定という観点で見直し,活用した.
|