近年、ブラックホールや、生命起源物質、系内外惑星大気の観測的研究において、より微弱な電波~光赤外域の分光観測の重要性が高まっている。そこで、カーボンナノチューブを用いた量子ドットによる極限的な高感度検出素子の製作に着手した。また、素子にフェムトアンペアのレベルで低雑音に電流・電圧を供給する極低温機械式冷却システムを完成させた。さらに2重接合の量子ドット素子のモデルを開発し、クーロンブロッケードやクーロンステアケース、光アシステッドトンネリング現象に付随する非線形電圧電流特性のシミュレーションを可能にした。これにより、回路設計や、動作点の最適化、プロセスへのフィードバックが容易化した。
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