本研究の最終的な目的は、電磁プローブである電子ビームを使用した短寿命不安定核の光(γ線)吸収断面積の測定である。電子弾性散乱による不安定核研究の実現のために発明したSCRIT法を利用すれば、不安定核の光吸収反応測定も可能になる着想を得、その実験手法の研究を行った。電子散乱用ルミノシティー、10**27 /cm2/s、のもとで、超前方に散乱された電子を加速器内で検出し、仮想光子理論を用いて散乱断面積を光吸収断面積に焼き直す手法である。本研究は、200 mA の周回電子ビーム近傍でも原子核励起でエネルギーを非弾性散乱起源の電子を検出可能であることを示し、この新手法が利用可能であることを確認した。
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