サンゴ骨格に記録される炭素安定同位体比のvital effectを解明するために、Nakamura et al.(2013)によって開発済みのサンゴポリプモデルに組み込む炭素同位体の拡張モジュールの開発を行った。このモデルを用いた数値実験により、サンゴ骨格の炭素安定同位体比のvital effectは呼吸由来の無機炭素が石灰化に使用されることで引き起こされることが分かった。また、このモデルによってサンゴ年輪に記録される炭素同位体比の年周変動も再現された。この年周変動は、サンゴ組織の炭素同位体比の変動と連動しており、この変化は主に日射量の年周変動に起因する光合成速度の年周変動に起因する。
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