タンパク質集合体は、高い対称性をもつケージやチューブなど、特異な構造体を形成するため、新しいナノ材料として高い注目を集めている。本研究では、タンパク質結晶内に形成される高次構造体をそのまま溶液中に切り出す、タンパク質超分子構造体の新規構築手法の開発を目指した。細胞内で結晶化する多角体結晶のナノカップ構造に着目し、単量体間に導入したシステイン残基の酸化反応によるジスルフィド結合形成により結晶内でのナノカップ構造体を構築した。結晶構造解析、MALDI TOF- MS、SDS-PAGEにより、ナノカップ構造体の同定を行い、多角体結晶からナノカップ構造体を構築することに成功した。
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