細胞膜の脂質分子は、内外層で異なっており、特定の脂質分子が集合してドメインを形成している。このようなドメインの中でも、比較的「かたい」脂質であるスフィンゴ脂質とコレステロールが形成する脂質ラフトと呼ばれるドメインが特に注目されている。代表的な「ラフト脂質」であるスフィンゴミエリン(SM)には、分子内に水素結合のドナーとアクセプターが共に存在するので、分子間で水素結合を形成することができる。ラマン分光は、水素結合のような分子間相互作用を検出することができるので、SM分子の分布状態をラマン分光により解析した。
|