粘着剤による接合部の強度および耐衝撃性を向上させるため,厚さ方向にその物性値を最適に傾斜させた多層粘着剤の特性を実験的に調べた.具体的には,中心部に強度の比較的高い高弾性率層を配置し,これを初期タック力が良好な低弾性率層で両面から挟み込み,接着力と保持力の両立を図った.この時,高弾性率層と低弾性率層の良好な相溶性が全体の強度を決定するため,厚さ方向の物性値分布が重要となる.本研究では,有限要素解析を用いて最適な物性値分布を求めると共に,これを実際に試作し,衝撃試験を行い,その効果を確認した.さらに,中心部の高弾性率層にナノバブルを封入し衝撃強度の向上が可能か実験的に確認した.
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