まず、毛細管現象を用いて中空コア光ファイバの内部を電気粘性流体で満たすことに成功した。次に、実験系の感度を向上させた上で、そのブリルアン散乱(微弱な音波による散乱)の信号を直接観測しようと試みたが、光伝搬損失が極めて高いために成功しなかった。そこで、ブリルアン散乱特性を間接的に推定するために、パルス-エコー法により電気粘性流体中の音速を測定する実験系を構築した。これを用いて、電気粘性流体中の音速や粒子濃度依存性、電界強度依存性を測定した。以上により、電気粘性流体中のブリルアン散乱の観測を電磁界の分布型センシングまで発展させるための土壌を整えたといえる。
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