研究課題/領域番号 |
26630215
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
風間 基樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20261597)
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研究分担者 |
安原 一哉 茨城大学, 地球変動適応科学研究機関, 研究員 (20069826)
鎌田 賢 茨城大学, 工学部, 教授 (70204609)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マルチセンサ / ワイヤレス / 土砂流動 / 間隙水圧 / 差圧 |
研究実績の概要 |
茨城大学の研究者と協働して,目指すセンサ仕様を決定するための研究打合せを数回開催した。目標としたセンサ仕様に基づいて,下期には流動化した土砂中に放置し、動きを記録できるワイヤレスのマルチセンサを試作した。ケース外寸は10cm角の立方体で,重さ:540g(電池含む:単3アルカリ乾電池6本)である.センサ部は,水位センサ(絶対水圧),差圧センサ(箱の両端面の水圧差),3軸加速度+3軸ジャイロ+3軸コンパス)である。マイコンが内蔵してあり,PCから計測部メモリーの設定条件をコントロールできる仕様とした.実際の計測は,これを流動する土砂中に投入し,実験後に回収してデータを取り出す方式と無線でデータを飛ばす方式が考えられるが,今年度は前者の方式のものとなっている。 適用性実験では,ドラム式流動試験装置に投入して実際の土砂および含水比を徐々に増やしながらの実験に適用する試験を行った。実験では,途中でセンサ内部の乾電池が脱落するトラブルとなったが,それまでのデータは取得された.今後,そのデータを解析して,実際のドラム中の動きをどこまで捉えて再現できているかを検証する予定である。 研究成果の一部は、2014年度下期の学会にて発表した。また、2015年度上期に予定されている国内外のシンポジウムに発表予定である。 また,平成27年度以降は,平成26年度の試作機の改良とともに、無線方式のセンサ開発に着手する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している理由は, 1)マルチセンサのコア部分であるセンサ部の試作品ができたこと。 2)実験室レベルで、性能試験を出来るようになったこと。 3)改良改善部分について、見通しをえたこと など、当初計画の1年目の達成目標をほぼ満たしたと判断できるからである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、無線機能を有するリアルタイム計測型のセンサシステムのプロトタイプの作成を行う。 1)まず、通常の無線通信周波数帯を使う方式のセンサの試作を行う。これは、地中部や水中部からアンテナ線を空気中に出して、そこから無線通信を行うタイプのものである。この場合、電源の仕様をどのように決めるかが課題である。 2)地盤中水中部からの直接的な無線通信には,通常の空気中での無線通信の高周波の帯域は使えない。すぐに減衰してしまうからである。そのため,水中での通信は長波と呼ばれる波長の長い周波数帯域での通信を検討する。必要とする伝送データの量やサンプリング速度を勘案し,最適な帯域を探り出す。 また,地盤を構成する土質材料によっては,水中と違った環境下であるため,通信できる場合とできない場合があることも考えられる。実験では、砂質土、シルト、粘土の3種類の材料にて、地中からのデータ通信の実験を行い、地中深さや土質・水深に応じた使用周波数帯域を見つけ出す。 同時に、マルチセンサシステムのモニタリング用のソフトアプリケーションについても検討し、最低限のモニタリング用ソフトは自作する
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次年度使用額が生じた理由 |
マルチセンサのプロトタイプ試作に要する経費分の一部が平成27年度に繰越になったため
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度分の未使用額を含め、平成27年度に執行予定である。
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