ヴィトルヴィオ著「建築十書」は、ダニエレ・バルバロによりイタリア語にされ、註釈を加えて1567年に刊行された。この中には、アンドレア・パッラーディオによる図が挿入されている。研究の目的は、同書第五書の劇場デザインに関するバルバロとパッラーディオの考え方を、他の著者による翻訳書との比較、およびローマ時代とルネサンス時代の劇場調査を通して明らかにすることである。その結果は以下の通りである。(1)表題の書籍はバルバロの透視図法に関する知識が生かされている。(2)パッラーディオの設計はヴィトルヴィオ著『建築十書』に大きく影響されている。
|