転位は結晶中の原子配列の連続性が局所的に乱れた線状の欠陥であり,母相結晶と全く異なる原子構造を有している.こうした転位の原子構造・配列・組成等を制御することで,転位に基づく新奇物性発現が期待できる.本研究では,酸化物材料中の転位の電気伝導特性を評価することを目的に,双結晶を利用して周期的な転位構造を形成させ,その転位構造を透過型電子顕微鏡法により解析するとともに,転位に沿った電気伝導特性評価を行った.その結果,転位の構造が粒界の方位関係により変化することが確認できたとともに,特異な構造を有する転位構造で電気伝導特性が発現することが明らかとなった.
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