我々はバルクでは、磁化をほとんど示さないLaFeO3が、ナノ粒子化により非常に大きな磁化を持つことを見出した。これは、ナノ粒子化により、結晶の並進対称性が消失するとともに構造緩和が生じ、強磁性的相互作用が発現したためだと考えられる。そこで本研究では、LaFeO3ナノ粒子の構造及び磁気特性を系統的に評価することで、ナノ粒子化によるLaFeO3の巨大磁化発現機構を解明することを目的としている。その第一歩として、塩添加噴霧熱分解法を用いることで、均一な粒子径分布を持つLaFeO3ナノ粒子の合成条件を確立し、ナノ粒子の合成条件と構造、磁性との相関を明らかにした。
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