電気トリーは絶縁破壊の前駆現象である。エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂/ナノシリカ粒子コンポジットに対し針電極を用いて電気トリーを発生させた。これらの試料に対し、高輝度放射光を利用したマイクロX線CTによって電気トリーの3次元構造解析を行った。その結果、エポキシ樹脂にはブランチタイプ、エポキシ樹脂/ナノシリカにはブッシュタイプの電気トリーが確認できた。撮影画像のフラクタル次元解析および描画シミュレーションによって、各タイプの電気トリーの分岐構造の特徴を明らかにした。さらに、ナノシリカコンポジットにおいては、湿度処理による絶縁破壊電圧の低下が軽減されることも明らかになった。
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