結晶性セルロースの直接分解をボールミル処理にて行った。強酸性を有する層状金属酸化物HNbMoO6を添加し、乾式ボールミル処理を行うと、すべてのセルロースが転化し、水溶性糖が72%で得られた。セルロースのアモルファス化は迅速に進行しており、分解反応には影響がなかった。SEMおよびEDXマッピングよりセルロースと触媒は反応10分後の時点でよく混合されており、固体触媒がセルロースに取り囲まれた様子が観測された。本反応は、分解したオリゴ糖の逐次分解ではなく長鎖セルロースの直接分解により進行していることがわかった。生成物にはグルコース、マンノース、セロオリゴ糖の他に、アンヒドロ糖が含まれた。
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