テザー推進やイオンエンジンの中和器として,立方晶窒化ホウ素(cBN)をエミッタ材料とした電界放出型カソードを開発した.電極形状やcBN薄膜の特性を変化させて性能向上を目指したところ,最大引き出し電流として107マイクロアンペアの電流の引き出しに成功し、当初の目標値を達成できた.さらに耐原子状酸素性の検証を九州工業大学宇宙環境技術ラボラトリーの原子状酸素環境・耐宇宙環境性能評価装置において行ったところ,4×10^19 cm-2のフルーエンスでは原子状酸素による引き出し性能の低下は見られず,また電子顕微鏡による観察およびエネルギー分散型X線分光法においても特段の変化も見られずなかった.
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