環境は明暗の日周期に代表されるような時間構造を持っていることが多く、生命システムはその変化を予測し適応する性質を備えている.多様な情報を効率良く内部に表現し、安定にそれをとりだして利用する性質は、生命システムの最も基本的な性質の一つであると考えられる。本課題では、生命システムが環境の中の一定のパターン(環境の情報構造)を検知し内部に表現するメカニズムとして哺乳類体内時計システムに着目し環境との同調メカニズムを研究対象とした。独自の観察系の構築と包括的な環境時刻伝達物質の調査の結果、体内時計システムが緩やかな環境時刻情報の変化を検出して内部表現するメカニズムに迫る基盤的知見を得ることに成功した。
|