研究課題/領域番号 |
26640063
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
中村 肇伸 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (80403202)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 受精卵 / オートファジー / タンパク質ノックダウン |
研究実績の概要 |
精子と卵子は、受精後にリプログラミングされることにより、全能性を再獲得するが、その分子機構については、不明な点が多く残されている。これは、受精卵には卵子から持ち越されるタンパク質が大量に存在し、RNA 干渉法が有効に働かず、他に適切な実験系がないことが大きな要因であると考えられる。そこで、本研究では、細胞が有するタンパク質分解系であるオートファジーを利用した新規タンパク質ノックダウン法を開発することを目的とする。 今年度は、ライソソームとの結合に必要なペプチドとプロテインA とを融合させたキメラタンパク質を作製し、EGFP mRNA、およびEGFP抗体とともに受精卵にマイクロインジェクションを行った。その結果、ほぼすべての胚が死滅した。これは、市販の抗体に添加されているアジ化ナトリウム等の防腐剤の影響が考えられた。そこで、EGFP抗体を再精製することにより、添加剤を除いたところ、死滅する胚はほとんど認められなくなった。さらに、EGFP抗体により、EGFPの蛍光が抑制されることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、市販の抗体に含まれる添加剤により、当初の計画に問題が生じたが、抗体を精製することにより、この問題を回避することができた。平成26年度の研究計画に記載した実験をすべて実行することができたため、本研究は「おおむね順調に進展している」と考えらえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、当研究室で解析中の全能性細胞で特異的に発現する遺伝子群の中から、申請者らがすでに明らかにしたKlf17とBtg4ノックアウトマウスの表現型と「タンパク質ノックダウン」により作製した胚の表現型を比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に発注した輸入試薬が、品質検査の結果、輸入不可能となり、年度内に納品することができないことが判明したため、助成金の一部を翌年に繰り越し、翌年度分から購入することとした。なお、このことにより研究の進捗が遅れることはない。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度品質の問題で購入できなかった試薬を平成26年度の残予算より購入する。
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