申請者らは新規ゲノム多型であるコピー数多型(Copy Number Variation:CNV)部位での体細胞変異を腫瘍組織で解析し、CNVの実態の解明と意義、起因する遺伝子異常の同定を目的とし、CNV特異的DNAアレイを用いて、乳がん、胆道がん、舌がん、膀胱がん、計52例における腫瘍、非腫瘍部のCNVを網羅的に解析した。この結果、10kb以下の短い断片でのみコピー数増減を示す新たな異常を見出し、CNV不安定性と定義した。CNV不安定性は腫瘍の10-20%、特に悪性例に認められた。また、乳がんでCNV体細胞異常に起因する遺伝子異常を網羅的に解析し、多数の候補遺伝子群を得た。
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