がん細胞の悪性化に、がん細胞が放出する脂質小胞エクソソームが関与する。エクソソームは多胞性エンドソーム由来の小胞であることから、リン脂質やその代謝物等のシグナル脂質がエクソソーム膜に存在し、その脂質組成の違いががん細胞の性質を反映するという仮説を証明する事にした。 種々のメラノーマ細胞、大腸癌細胞等からエクソソームを単離し、イノシトールリン脂質がエクソソームに存在することが判明した。またがん細胞悪性化の1つ薬剤耐性とエクソソームとの関連性を検討し、ヒトメラノーマ細胞株を抗がん剤 Vemurafenibで処理するとエクソソームマーカーのCD63 の発現量が顕著に増加することが判明した。
|