ハダカアリ(Cardiocondyla kagutsuchi)には、巣の入口(巣口)に他種のアリの死体を積み上げる行動が観察される。我々は、この行動を、死体の忌避作用を利用した防御行動(Zombie defense)であると考え、野外調査と室内実験を行った。その結果、(1)野外では、トビイロシワアリの死骸が集められることが多く、これは生息地周辺にトビイロシワアリが優先しているからだと考えられた。(2)Zombie defenceは生きたハダカアリとの接触によって解発され、攻撃側のトビイロシワアリの個体数が多いほど、その継続時間も長かった。また、利用される個体は、死亡直後の死体が利用された。
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