本研究では,蛍光顕微マニピュレーターを用いて,固体平板培地を用いた分離培養法では取得が難しい微生物を,液系のみで効率良く純粋分離するための手法を確立することを目的とした.まず,キャピラリー,プレート,オイルなどについて選択し,ドロップレットの配置,洗浄方法,生細胞の蛍光染色剤による判別法の導入,移植後の増殖観察法などについて最適化を行った.その結果,1細胞の分離に要する時間の短縮,マイクロコロニーの形成率向上が得られた.本法を用いて,超高温コンポストの集積培養液から液系分離を試み,既知の微生物と形態が大きく異なる高度好熱菌,および既知の常温性細菌と系統学的に近い高度好熱菌などの純化に成功した.
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