研究課題
本研究課題では、量子化学に基づくスペクトル予想方法のscope and limitationを行い一般的適用法を確立しようというものである。研究の過程でNMR化学シフトは、立体配座にきわめて敏感であることが判明した。配座解析の段階では、時には数十万を超える初期配座を評価する必要があり、計算速度の速い分子力学法を用いることが多い。しかし、力場法は官能基を多数有する分子の再現性は低く、歪んだ分子を想定しておらす、無駄な配座を候補としたり、安定配座に漏れが生じる可能性があることを明らかにした。これは、STO3Gなどある程度高コストな分子軌道法とすることにより、実用的な計算時間で実行できることを見出した。また、計算結果について、計算値と実測値とのズレを構造式上にマッピングすることで、計算が正しく行われたか、判断しやすいこと、また解析にも有効であることを明らかにした。以上の情報を基にEpoxyroussoeone およびEpoxyroussoedioneの構造決定に利用した。上記化合物は分子内に水素原子をほとんど持たないため、そのNMRを利用した構造解析は、非常に困難であったが本手法を適用させることにより、平面構造はもちろん立体構造まで明らかにすることができた。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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