RNA-Seq法と、味蕾を構成する味細胞種の割合が変化した転写因子Skn-1a(Pou2f3)欠損マウスを用いて、新規イオンチャネル型味覚受容体、特に高濃度の塩に対する塩味受容体の探索を行った。その結果、有郭乳頭と葉状乳頭の味蕾特異的に発現する遺伝子を同定した。HEK293T細胞を用いた電気生理学的解析から、この分子はクロライドチャネルであることが示された。欠損マウスは高濃度の塩溶液に対する舌咽神経応答と忌避のリック応答が減少していた。以上の結果から、この遺伝子は食品中に含まれるクロライドアニオンの検出に関与している可能性が示唆された。
|