近年資源量の減少が著しい海域のシャコの真菌・卵菌症について、検鏡、病理観察、分離培養法、分子生物学的手法によって調査したところ、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海水島灘のシャコ真菌Plectosphaerella oratosquillae、瀬戸内海播磨灘のシャコには卵菌 Halioticida noduliformansが高率に感染していた。これらの感染は鰓に明確な病理的障害を引き起こしており、P. oratosquillaeについては飼育試験でその病害性が確認された。また、東京湾のシャコでは個体密度が激減する時期に病態を示す個体頻度が高く、感染症が資源量減少の一因になっていることが強く疑われた。
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