フラビウイルスには、人や動物に重篤な症状を引き起こす人獣共通感染症の原因ウイルスが多く属しているが、その病態発現機序には不明な点が多い。本研究では、ウイルス由来長鎖ノンコーディングRNAの産生に関わる3’ 非翻訳領域が、神経向性フラビウイルスであるダニ媒介性脳炎ウイルスの病態発現に重要であることに着目し、本領域の病態発現における機能を解析した。その結果、3’ 非翻訳領域内の可変領域の高次構造が病態に関与していることを明らかにし、哺乳動物における適応によって生じる変異/欠損によりこの構造が影響を受け、未知の機構により脳における病原性を上昇している可能性を示した。
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