炭疽菌毒素受容体を発現しているヒト由来培養細胞 (HeLa細胞およびHUVEC)を用いて、炭疽菌毒素の細胞内侵入に関わるシグナル因子の探索を行った。本研究では、ヒト細胞内の膜・小胞輸送や細胞骨格を制御する低分子量GTPase群などのシグナル因子などに注目し、炭疽菌致死毒素LeTx処理後の種々の細胞内因子のmRNA発現量の変動、およびシグナル因子タンパク質の発現量改変細胞を用いたLeTx処理などの検討を実施した結果、ダイナミンに依存しない侵入系経路の存在および低分子量GTPaseであるARF及びその関連因子、更に発現調節因子であるKLFが炭疽菌毒素の細胞内侵入に関与している可能性が示唆された。
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