乳牛において、授精後早期の第1卵胞波主席卵胞(W1DF)と黄体との位置関係が受胎性に及ぼす影響を調べた。W1DFと黄体が同じ卵巣内に存在する共存関係では、異なる卵巣に存在する非共存関係に比べ受胎率が有意に低かった。非共存関係では、排卵後早期の血中および子宮内膜組織のプロジェステロン(P4)濃度が高く、共存関係では、P4受容体であるPGRMC2のmRNA発現が高かったことから、W1DFと黄体との位置関係が子宮内膜におけるP4濃度やP4受容体発現に作用し受胎性に影響を及ぼすと考えられた。W1DFと黄体の位置関係は、ホルモン処置により変化することから、位置関係を人為的に制御できる可能性が示された。
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