カイコの長期保存にCAS冷却装置を応用可能であるか、受精卵と精巣を用いて検討した。受精卵ではCAS冷却による効果を認めたが、実用化に寄与するには至らないと判断された。精巣凍結には効果を認めなかった。そこで、目的達成への方法を変更し、胚子をガラス化凍結し、その有効性を検討した。その結果、カイコ胚子はガラス化凍結した後にも生存し、発育を進め、孵化することが判明した。しかし、エサである桑を食するまでには至らなかった。凍結後も生存し、孵化まで発育が進むので、今後条件を検討することで、目的達成の可能性はあると判断された。生殖層の凍結保存はエリサン、シンジュサンでも有効であることが判明した。
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