研究課題
PAFは、アレルギー・炎症等種々の病態発症・進展時のメディエーターとして機能していると考えられてきたが、PAF受容体欠損マウスに野生型マウスと比べ内蔵脂肪・体重の有意な増大を認めるとともに褐色脂肪組織のアンカップリングプロテイン(UCP)1の顕著な発現低下を認めている。本研究では、全身性のPAF受容体欠損マウスにおける熱産生低下の機序を解明するために、褐色脂肪細胞に着目し、熱産生制御因子UCP1を効率的に発現させた脂肪細胞を作製し、脂肪細胞への分化誘導時のUCP1発現に関わるin vitroでのPAFの役割解明を目指した。平成27年度に引き続き脂肪細胞への分化誘導時のPAFの役割解明に適した細胞株の樹立を進め、さらに11株について、PAFやβ3アドレナリン受容体アゴニスト刺激によるUCP1の発現亢進を解析したが、クローニング前の褐色前駆脂肪細胞を用いた結果を上回る細胞株を得ることが出来ず、UCP1発現が複数の細胞のクロストークで行われている可能性が推察された。全身性のPAF受容体欠損マウスに認められた肥満の原因細胞をin vivoで同定するため、細胞特異的PAF受容体欠損マウスの作製を進め、PAF受容体floxedマウスの作製に成功した。Adiponectin-CreマウスおよびUcp1-CreマウスとPAF受容体floxedマウスを交配し、白色脂肪細胞ならびに褐色脂肪細胞選択的なPAF 受容体欠損マウスを作製し、原因細胞をin vivoで特定するための実験系を確立した。
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http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/~rinsho/